白井勝文 人生の回想
                                                    

       無常御和賛    

                                                                  

   人間わずか五十年 花にたとえば朝顔の 

        露より(もろ)き身をもちて 何故に後生を願わんぞ 

   たとえ浮世に長らえて  楽しみ心に暮すとも

   老いも若きも妻も子も 後れ先立つ世の習い

   

   花も紅葉も一盛り   二十歳三十路の人々も

     今夜枕を傾けて     直ちに頓死するも有り

     朝だに笑いし幼児も   暮れに煙となるも有り

 

     今日は他人の葬礼を   送りし我が身も明日は又

   仇野鳥邊の客となる   之を思えば自ずから

     一弦供養で手を合わす

  

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