パートTでは、生活の為に仕事をするとは、どんな事かと言うことを、
お話して参りました。そこでは肉体を維持していく為には、どうして
も行わなければならない生命活動があり、その生命活動はどんな生物で
も根本的には、「食べる食欲、寝る睡眠欲、子供をつくる性欲、身を守る
為の物欲」と「四つの欲求」によって、突き動かされているに過ぎな
い事を、お話しして参りました。
そして今度は、この世で生きる本当の目的は、一体なんだろうか、と言
うことを、お話ししたいと思います。結論からズバリ言いますと。
人間が生きる本当の目的
それは人格、人間性の向上です!
まず人間とは(じんかん)とも言うのです。じんかんとは「ある間にある」
存在の、状態を言うのです。
ではその、ある間にある状態とは、どんな人間かと言いますと。
1−生物としての人間(自分を肉体的として捉えている人)
生物と精神との間にある状態を人間(じんかん)と言うのです
2−精神的に目覚めた人間(自分は肉体ではなく魂であると理解している人)
この、生物としての人間と、精神的に目覚めた人間、つまり生物と言う物質の状態と、
精神性に目覚めた状態の、二つの状態の間にあるから
じんかん(人間)と言うのです。
このことは、一般的にはなかなか理解されていませんけれども実は、
非常に重要な真理なのです。
この様に人間とは、その活動のありかたや考え方によって、動物として
の存在であったり、精神的に目覚めた、高度な人間となったりするのです
では、生物としての人間とは、どのような生き方をしている人かと言い
ますと。
パートTでもお話しいたしましたように、その生命活動(生活)が、
食べる事、寝る事、子供を育てる事、生活を楽しむ事の、四つの欲求だけ
で活動している人間の事です。
たとえ、どんなに高度な社会生活や、生命活動を営んでいたとしても
それは、生物(生き物)として人間社会をつくり、維持しているだけの
ものであり、本質的には動物世界と全く同じ生命活動(生活)をしている
のだと、言わなければなりません。
このように根本的に本質を見据えると言う事が、非常に重要な事なのです。
では今度は、「精神的に目覚めている人」とは、どんな状態の人なのか、
と言う事を、お話したいと思います。
その前に、人間が持つ能力として、大きく二つの能力があることを先ずは、
知っておいてください。その二つの能力とは。
1−知的能力(記憶力、計算、予測、読解力など頭を使う能力)
2−精神的能力(道徳とは、好かれる人とは、立派な人とは、
人間性を高めるとは、など心と頭を使う能力)
一つ目の知的能力とは、学校で学ぶ知識や、会社で仕事をしたり、一般
社会で生活をする為の知識を、身につける能力のことを言うのです。
二つ目の精神的能力とは、道徳とはどんなものだろうかとか、なぜ道徳
が必要なのか、好かれる人とは、立派な人間になるには、とか、この様
な人間性を高めるために、心と頭を使い行動する能力を、精神的能力と
言うのです。
そこで先ず、「精神的に目覚めている人」とはどんな意識を持っている
人かと言いますと。
精神的に目覚めている人とは
1−自分は肉体的存在ではなく、精神的存在であると自覚している人。
2−さらに、精神的存在であると認識する自分こそが、魂であると
自覚している人。
この二つの認識をはっきり、断言できる人が「精神的に目覚めている人」
であると、言えるのです。
ここで魂と言う言葉が出て参りましたが、精神的に目覚める為にそして、
魂を理解するためには大事な関門を、通り抜けなければなりません、
それは
「自分は肉体ではなく、精神的存在なのだ」という意識
これが大事な関門なのです。
ではその「自分は肉体ではないのだ」と言うことを理解して頂くためには、
次の事を思い浮かべてください。
例えば10年前の写真の姿と、最近の写真の姿を比べて見て下さい。
するとその肉体的変化はすごくあるものだと、認識できると思います。
しかし、10年前の自分も今の自分も、肉体の変化はすごくあっても、
昔も今も同じ自分であることは、理解していると思います。
と言うことは、肉体は10年前と今は著しく変わっていても、肉体を
通して自分と言う認識は、10年前も今も、全く変わっていないという
ことが分かりますね。
つまり肉体は常に変化している物質に過ぎず、その肉体の中に、
自分を認識する意識がある、と言う事を、分かって頂きたいのです。
その、「自分として認識している自分」こそが魂である、と言うのです。
この「自分として認識している自分が魂である」と言う事を、確信を持
って断言できなければ、一生涯の生命活動(生活)を通して、人間とし
て生きる本当の目的を知ろうとは全く、思わなくなってしまうからなのです。
「自分は肉体ではなく、魂の存在なのだ」
と精神的自覚があってこそ、人格や人間性を高める道を、歩み出すこと
ができるのです。
それは、人格、人間性の向上をなす力はすべて、心と頭を使って行動す
る、精神的能力にあるからなのです。
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