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(釈尊の教え) 最上の幸福(しあわせ)とは
台本制作&語り 白井勝文
我らが求める、「最上なる善きものは何であろうか」この問いに対しては
「それは幸福に他ならない」と、たいがいの人の答えはほぼ一致する。
ではひとたび、「幸福とは何であろうか」と言う問いになれば人々は、
それぞれその見解を異にしている。
ある人は財の豊かさを、ある人は名誉なることを、
またある者は、いつまでも若く健康であることをと、
さまざまにその見解を違えてくる。
ではいったい人間にとって本当の幸福とは、どんなものであろうか。
釈尊は人間の成長に応じて、様々な生活において、様々の幸福を説きついに、
最上の幸福に説き至っている、それはかの祇園精舎においてのことであった
世の人々はことごとく、様々の幸を願い、様々の吉祥を念ずるが、
願わくは、我がために最上の幸せを語りたまえ,
かように問える者のあった時釈尊は、それについて次のように語り教えた
愚かなる者に、親しみ近づかぬがよい、賢き人に近づき 親しむがよい
また使うるに値するものに使うるがよい、これが人間最上の幸わせである
よき環境に住まうがよい、常に功徳を積まんことを思うがよい
また自ら正しき誓いをたつるがよい、これが人間最上の幸わせである
広く学び、技術か芸術を身に付けるはよく、規律ある生活を習うはよく
よき言葉になじむはよい、これが人間最上の幸わせである
よく父と母とに使うるはよく、妻や子をいつくしみ養うはよく
正しき生業にはげむやよい、これが人間最上の幸わせである
布施をなし戒律を保ち、血縁の人々を恵み助け、恥ずべき事を行わざるはよい
これが人間最上の幸わせである
悪しき行いを楽しみとしてはならぬ、酒を飲まば程を過ごしてはならぬ
また、もろもろの事において節制せねばならぬ、これが人間最上の幸わせである
人を敬い、自からへりくだるはよく、足るを知って恩を思うはよく、
時ありて教えを聞くはよい、これが人間最上の幸わせである
こと忍び、穏やかなるはよく、しばしば悟りし人と交流し、時ありて、
真の道をかたり、談ずるはよい、これが人間最上の幸わせである
よく己を制し清浄なる行いを修め、真の道を悟りてついに、
不動の心を得なば、人間の幸福はこれに勝るものはない
そのとき人は、誉められても、貶されても心を、乱されることもなく
得ると得ざるとによりて 心を動かされることもなく
憂いもなく怒りもなく ただこの上もなき安らぎの中にある
人間の幸福はこれに勝るものはない、人よくかくの如きを行いおわば
何処にあるも打ちかたるることなく、何処に行くも幸い豊かならん
かかる人々にこそ、最上の幸福せはあるであろう
人間の本当の幸せはとは、幸福感を味わえる、ある一定の状態をさすものではない
それは、生きていく状況と境遇において、人間だけが持つ、理性や知性に即した、
善なる生き方こそが、永続性を伴う真の、幸福なのである。
制作&語り 白井勝文
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