一般に由井正雪は江戸時代、幕府転覆を図った悪者とされている。しかしそ
れは時の権力者によっての情報操作であり、史実を検証すれば逆に正雪の
義士としての勇姿が浮かび上がってくる。歴史は権力者によって都合よく捏
造され真実は隠されてきている。歴史の勉強とは史実を積み重ねその時代
の風俗や習慣、人情などを加味した独自の見解を打ち立てる事が本来の歴
史学の立場ではないかと思う。今回その形を見事に確立した人がこの憂国
の軍学者「由井正雪」の台本を創った塩坂高男先生であった。まさに目から
鱗が落ちるお思いであり、正雪の無念も晴らされ一弦供養の口演となった。
公演レポート(2)へ 学校教育公演へ