津軽三味線の弾き語り野外公演が八日、岐阜市佐野
の佐野公園で開かれた。地元の人ら約二百五十人が
集まり、穏やかな春風にのる激しい演奏を楽しんだ。
近くの養安寺の住職、津田敬雲さん(四一)が「山間に
あるこの地区の人たちが交流し、心をいやす時問を提
供できれば」と企画。地元の佐野自治会と協力して開
いた。三味線奏者には、八年前に脱サラし「鎮魂」を
テーマに各地で演奏活動を展開する白井勝文さん
(五一静岡市在住)を招いた。
白井さんは、美濃ゆかりの鎌倉時代の武将、梶原景時
の没後八百年を記念した曲「景時散華」などを約二時
間にわたり披露。
聴衆は、本人が「惰念の叫び」と説明する悲哀に満ち
た力強いバチさばきに聞き入っていた。
津軽三味線の演奏家白井勝文さん(五一静岡市瀬名)が八日、岐阜市佐野の佐野
公園で、岐阜ゆかりの武将・梶原景時に題材を取った「景時散華」を披露した。
白井さんは八年前に脱サラして三味線の弾き語り行脚をしており、佐野公園近くの住
職津田敬雲さん(四一)の招きで来岐した。鎌倉時代の武将景時は一時、美濃守護を
務めており、「景時ゆかりの地で演奏したい」との白井さんの意を酌んだ。
鎌倉にいた景時は失脚して京都に逃れる途中、静岡市郊外の山で一族とともに自害
一二〇〇(正治二)年。この山は地元で梶原山と呼ばれ、白井さんはたまたま近くに住
んでいることから、鎮魂の願いを込めて「景時散華」を創作した。
この日の舞台は公園内のほこら。今年は自害からちょうど八百年目に当たり、白井さ
んは景時の自害に至るストーリーを独得の抑揚で語りながら、激しく、巧みに演奏した。
地元の人を中心に約二百人が鑑賞、ござを敷いた客席には外国人の姿もあった。